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内容に関しては、時折蛇足過ぎる感もありましたが、いやぁ、面白いの一言。
ただ、良く言われている『反日映画だ!』っていうよくわからない見解とは、
有識者の方の見解同様、『観てから言え!』スタンスですが、
むしろ、『絶対この監督日本好きだよ。』って思うぐらい、
個人的には色んな意味で応援したくなる映画でした。
戦争映画だけでなく、反日運動然り、いじめ問題然り、
日常、非日常問わず対立構造というのは、それを傍観する者にとっては、
とても簡単でわかりやすい図式です。
だから、それを観る傍観者は、あくまでもわかりやすい問題に対して、
YES,NOという個人的な感情だけで判断する。
インターネットの発展の影響なのか、グローバル社会の影響なのか、
それとも英語思考、成果主義の影響なのかはわかりませんが、
こういう安易な思考の流れと言うのが、日々促進されているように思う今日この頃です。
わからないという意見が恥ずかしいものなのか、
それとも“強い主張”というのが、まるで力を持っていると勘違いしているのか、
“本質”とは別の論議が日々繰り返されているように感じます。
あくまで、自分の存在、自分の主張を傷つけない為に、
それによって傷つく人がいるかもしれないことを何一つ考えないで、
偽善者の刃を“敵”に向けるわけですねぇ。
映画の中の日本人たちよりも、遥かにたちの悪いヘイトスピーチとかホントに、
日本人として出草してやりたくなっちゃいます。
と、まぁそんな話は置いておいて、この映画の中で描かれている“日本人”は多様です。
やっぱり抽象論というのはとても簡単で、私も普段『○○人はほんとに。。。』
とひとまとめにして、外国の人をとらえてしまう発言を言ってしまう事がありますが、
当たり前の話として『色んな人がいるわけです』。
現実社会においても、同族である日本人に対し、
『このじじいが!』とか『こんのババァが!』とか、
『このくそガキが!』なんて思う事は多々あるわけで、
いいやつもいれば、『○○○!!!』って思うやつらも腐るほどいる。
むしろ、知り合いの外国人の数よりもはるかに多く。
でも、外国人を総称するときは悪いところばかりを抽出して、
悪の代名詞みたいにいってしまう。ほんと、悪い姑みたいですね。
でも、この映画は、対立構造としても賛否が分けやすく、
倫理観、道徳観からみても“明らかに”やな日本人を、個人単位で描き、
時には美しい死に際で描いたり、哲学じみた言葉で飾ったりと、
いやぁ、そんないいやつじゃないよ。
って、日本人として恥ずかしくなるぐらい誠実に描いていたりするように思います。
(悪い見方で見ると、それも策略だよとか言えるわけですけどね。)
同時に、先住民の中でも対立構造があり、
“男たちの行動”に女が『どうして?』とか、
歌まで歌ったりと『理解できないコトがあること』を誠実に
描こうとしているように感じました。
だから、そんな映画だから、大佐のセリフとか、虹のシーンとか、
『いや、いらないよ。。。ww』と思いつつも、
この監督を応援したくなっちゃうんですよね。
映画の中で、女は事態を理解できない『弱き者』の様な存在であり、
いつの時代も主人公は男!の様に対立構造を描かれますが、
現実はあまりにも広大で、あまりにも理解できないことに満ちている。
部族に生きる女として、描かれる女も、変化を受け入れる女もいる。
色んな女が居るのに『どうして男たちは〜♪』みたいな。
と、感想を述べだすと色々と思う事があり、
終わらなくなってしまうのでこれぐらいにしておきますが、
『ホント戦争ってダメ!絶対!!』って、
超幼稚な感じの感想になって申し訳ないですが、
どんな戦争からも、長期的には得られる成果などなく、
なんの意味もないものなのに、
短期の利害=自己満足の為だけに行われるものなんだなぁ、と思うわけです。
自己満足とかいうと、なんか、日本では既得権益問題みたいな事を思いますが、
戦争も既得権も結局、そんな『どうして男たちは〜♪』的などうしようもない、
馬鹿で、無知で、恥ずべき行為なんだなと思う今日この頃でした。
何にしても素晴らしい映画。素晴らしいと言うと少しニュアンスが違いますが、
男は自分の生き方を見つめる為に、女はベジータが好きで、
『戦争映画?嫌いじゃないわよ。』って感じの人には、超お勧めです。
でも、基本男の子ムービーであることは間違いない。
遂に原恵一監督の作品が。待ちわびました。
『はじまりのみち』
http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/