『本物のアートは万人を魅了する。』
アート(芸術)というものがどういうものなのかは
正直わかりませんが、村上隆さん著『創造力なき日本』を読んで、
といってもまだ冒頭ですが。。。なんとなく思う所があった。
芸術=(情報量+物語)ー風化
数学が出来る訳ではないので、
誰でもわかる数式になってしまうのが悲しいですが、
現段階では自分の芸術の判断指針としてはわかりやすい気がする。
•情報量とは
作品にかけた時間、想い(情熱)、コンセプト、理論、
地位、プレゼンテーション(営業)
作品に着手し完成、出荷(販売)するまでに掛けられた作者の力。
モノによっては、出荷後も増やす事は可能。
•物語とは
時代背景、評価、風評(口コミ)、露出度
作品が出荷され、世に出た後の社会的浸透力。
•風化とは(物語に連動)
年月、価値観
出荷され時間の経過と共に変化する鑑賞者の感性(知性)
なんて、偉そうな感じを思いました。
情報量とは、『モナリザ』を最後まで、撫で続けたと言われる
ダヴィンチの執念にも似た作品へ掛けた時間であり、
村上隆さんの仰られる『お伺いを立てる』と言った
プレゼンテーションであり、理論(戦略)。
物語とは、出荷後、世間が回す『勝手な評価』であり、
作者の意図とは別の所で想像が膨らませられる意味付け。
映画『おおかみこどもの雨と雪』とか、
『桐島、部活やめるってよ』などで、
監督の意図とは別に盛り上がった話のようなもの。
風化とは、単純に年月。時には、寺社建築の様に、
風化と共に剥げ落ちた『けばけばしい』色彩や、『歴史』。
革命的、異端な物事が起こった後で、
ようやく世間が馴れるまで掛かった時間。
音楽配信サービスやインターネット産業。
情報量は作者が作った過程であり、
それがマイナスになることはないが、
物語や風化は時に+にもなり、−にもなる。
と、日本人の感覚で芸術というものを考えると
こんな数式が当てはまりそうな気もしたが、
実際問題どうなんでしょうね。
でも、昨今の園子温監督を筆頭に、
徹底的に取材された膨大な資料(あくまでイメージですが…。)や、
村上隆さんの仰られる『現代美術』の見方などを伺ったり、
映画や小説などで流行るタイトルの『年齢層』を見ていると、
『芸術は万人に理解されるものではない。』
のかもしれない。なんて思う。
『神』という超抽象的な矛盾だらけのイメージの様に、
『芸術』にも様々な価値の形がある。
ただ、個人的に思う事は
園子温監督の様に『超』過剰な表現であったり、
村上隆さんの様に『超』オタク的?な
『革命的(異端)』破壊力(膨大な情報力)を詰め込んだ作品しか、
物語や風化がもたらすマイナスの力に耐える事は出来ないように思う。
きっと、10年という年月が−100点ぐらいの影響があるのだったら、
現段階で『世間の評価』はどうであれ、
200点以上の作品を作らなければ、
10年後も評価される事はないのだろう。
そして、何十年後、何百年後先なのかはわからないが、
あるポイントを境に、『歴史的な作品』へと変化するのには、
200点でも足りないかもしれないんでしょうね。
ほんと、『アーティスト』を私は尊敬します。
まだ冒頭ですが面白そうな本ですよ。